カーボンナノテクノロジー

ナノテクノロジーの進歩

NanteroのNRAM® は、最先端のナノテクノロジー研究とカーボンナノチューブ (CNT) 技術の革新的な用途を活用しています。 最も強度の高い素材と考えられているカーボンナノチューブは、独特の構造と電気特性を備えており、超高速、超高密度かつ消費電力の低い新世代メモリの実現には理想的です。 カーボンナノチューブ1本の直径は人間の髪の毛のわずか5万分の1ですが、これらの小さなシリンダーは鉄鋼の50倍の強度とアルミニウムの半分の密度を持ち、現在科学者たちが知る限り、熱伝導率と電気伝導率はどの素材よりも優れています。

カーボンナノチューブはその利点が業界で称賛されていますが、Nanteroは、この技術を活用してCMOSファブでの半導体製品開発に積極的に取り組んだ最初の企業です。 この画期的な業績は現在、当社の主要な特許ポートフォリオの一部として保護されています。ポートフォリオには170件を超える取得済特許と200件を超える申請中の特許が含まれます。

Nantero NRAMに使用されるナノチューブ

Nantero 7項目

NRAMの利点

NanteroのNRAMは、DRAMと同様の速度およびDRAMをしのぐ密度、フラッシュの不揮発性を持ち、スタンバイモード時の電力消費は実質ゼロです。1ビットの書き込みに要するエネルギーはフラッシュの160分の1、環境から受ける影響(最高摂氏300°の高温、磁気、放射能、振動)にも高度の耐性があります。 NRAMは既存のCMOSファブで使用でき、新しいツールやプロセスを必要としません。また5nm未満までスケーリングが可能です。 わずか数段階の工程と1階層のマスクのみ必要とされることから、NRAMは低コストで製造が可能で、3Dアーキテクチャ、MLCによるオペレーションの両方に対応できます。 このことから、NRAMはスタンドアローン、埋め込み、いずれのアプリケーションにも理想的な、新世代メモリ技術のソリューションです。

NRAM技術

NRAMは、標準的なシリコン基板の上に置かれたカーボンナノチューブによるフィルム構成がベースとなっています。シリコン基板は底部のセル選択装置とアレイ線(一般的にはトランジスタまたはダイオード)から成り、これがNRAMのスイッチに接しています。 図1はクロスするナノチューブのフィルム(または繊維)を配置したもののSEM画像で、ナノチューブはそのポジションにより接触状態またはわずかに分離した状態にあります。

NRAMは抵抗性不揮発性ランダムアクセスメモリ (NVRAM) として機能し、カーボンナノチューブ繊維の抵抗状態により、2種類以上の抵抗モードに置かれます。 カーボンナノチューブが接触していない時には、繊維は高抵抗状態となり、「0」の状態を示します。(図2参照) カーボンナノチューブ接触時は、繊維は低抵抗状態となり、「1」の状態を示します。

 

CNT繊維

 図1

Nanteroナノチューブ 電極アニメーション 

図2